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第五話 ゴワサン... デ ネガイ マゴノテ...
今日も真っ暗だ...
アレは小学三年生...夏の終わり頃...近所のニイチャン が オレ今度ソロバン塾に行くって...
ユウスケ も行こうよって...
ソロバン? こないだ授業でやったな... パチパチって...
ゴワサンデ... ジャー♪ ネガイマシテハ...って 意味なくジャー♪て...
俺は家に帰って母ちゃんに...俺、そろばん習いたい...日曜日は、お手伝いするから...って頼んだ...
良いよ♪
え? え??... マジ?
別にお手伝い無くても良かったのに...って笑って許可もらった...
え? 手伝い無しでも? って後悔したが... 俺はすぐ近所のニイチャン に伝えに行った...
初めてのソロバン塾... 近所のニイチャン は... イナイ...少し心細かったんだが、一足す一...は?なんてパチパチ...親指と人差し指...不器用に動かしながら一時間...終わって帰りのバスを待ってると...もう夕日が隠れそうだった...
家に帰ってカーチャンに報告...頑張ってって...
塾は毎週木曜日... 次の塾の日もニイチャン の姿見えず...日曜にニイチャン の家に行ったら...
ユウスケ ゴメン...塾終わると暗くなって...怖いから 辞めたって...
え? え? 俺も薄暗い帰り道は...少し怖いのに... けどカーチャンに頼んだ手前...一級とってから辞めないと...と思ったんだ...
秋に近づくと...帰り道は、より闇に近づく...
俺の家は、バス降りてバス停から3キロ弱の砂利道...中間に街灯が 一つ...その街灯の先には杉林が1キロ弱続く...杉林を抜けると...民家が一軒...しばらくして...また一軒...の三軒先が家...
今日も少し怖かったなって...小走りで帰る日が、続いた...
さすがに暗すぎたので...
カーチャン懐中電灯買ってくれない?って言った...
何 言ってんの? 懐中電灯で照らしたらもっと怖いでしょ?って...
カーチャンこそ... 何言ってんの?って思った...
あのね...ユウスケ 暗くてもよく見れば見えるもの...耳をすませば聞こえるもの...それを今から鍛えなさい...って... で、見えなくても、いいモノが光当てて見る方が危ないの...
大きくなったらわかる言葉だけど... ニンシキ... これが怖いものと繋がってしまう... て...
じゃあ ニンシキってしなければ 怖く無い? よくわからなかったけど...頭殴られる前に...この話終わらなければ...て俺は... わかった...頑張るって言った...
それから 冬が近づく... もう五時過ぎ、月明かりがなければ...真っ暗...
お月様とお星様が見える日は感謝で一杯だった...
そうやって六年生になり...卒業するまでソロバン塾に通った...
そりゃ やばいなって日もあったさ... 後ろから ヒタヒタ...ついてくる音...
森の中から...意味不明な...音...
けど...本当に危ないって思ったらコレ使いなさいって...カーチャンが渡してくれた... 銀色のお守り... 片道きっぷ...
これは願った場所に一回だけ...行く事ができるらしい...だから少しちびった日もあったが...小学校も塾も無事卒業した...
ソロバンは三級二回ダメで...四級で終了...塾の女性の先生は、中学校に行っても...来てって...お金は良いからって...
無料って言葉に少し揺らいだが...俺は中学生になったら...剣道部って決めてたもので...ありがとうございます。ってお礼言って塾を後にした...
塾のおかげでソロバン四級取れたし...暗闇で少しは見える様になったし...怖さも減ったし...中学校に行ってクラブで、遅くなっても俺は...無敵..て変な自信持ってた...
そして..年末...出稼ぎしてるトーチャンが帰ってきた...
トーチャンは夏は数週間、冬は年末から一ヶ月ちょっと家に帰る...
けど...大半は自分の実家...そう...本家に居る...
あの日...
もう少しで大晦日って時に...
ニコニコして本家から早めに帰ってきた...
手には...見なれない... 棒?
ん? 孫の手...?
いやー本家で良いもん見つけた...って 背中痒い時これ最高...って...
確かに形状は孫の手...だけど...
トーチャン... その先の手って 子供の手のミイラじゃないの?
あのバーチャン こんなのも作ったの?って
トーチャン ソレ...アナタの兄弟かも?って思ったが...余りにも嬉しそうな顔見て...そっとしておいた...
次の日...俺は朝一トイレに...
トントン♪ 入ってまーす... トントン... ドンドン...
はー?少し待ってって声張り上げて言った...
台所のカーチャンに...トーチャン トイレに来た?って聞いたら...
まだ、寝てるって...
ん? じゃあ...あのノックは? 誰?
その日の夜...布団に何か乗ってる...オモイ...
普段から電気代節約の為に、電気は消して寝る決まり...
目を開けると...暗い闇...布団の上に黒い塊が...
クソっと布団蹴り上げた...フッと何も無かったように...キエタ...
次の夜も...金縛り...体が動かない...また...布団の上に...子供みたいな影が二体...
キャッキャ...て飛び跳ねる...よく目を凝らせば...暗闇に 目だけ四つ見えたような気がした...流石に暗闇に...目が四つ...フッと意識が...
翌々日の夜... 寝ている場所は角部屋だったんだが... 外から... ザッツ..ザッツ..て凍った雪を踏む音が...スル... ザッザ...ザッザ...
で... ガラスを... コンコン..って... さすがに俺は電気つけて跳ね起きた...
絶対...アレだ... アレ...マゴの手のせいだ...て思ったが...今は夜中過ぎ...
朝まで布団で震えながら...朝一でカーチャンに、ここ数日の出来事を話した...
少し夫婦で揉めたようだが... ユウスケ が背中はかくらしいので...って事でアレは本家に返すことになった...
それからは変な事は起きなくなった...
けど。暫くしたらアノ...薄暗い影が夢に出てきて...言ったんだ...
ユウスケ...いい体験したな..って...あの 魔児の手は...オレが 親父に持って帰るように仕組んだんだ...
魔児の手...マゴノテ?...
あのアイテムは嫌なヤツに嫌がらせするモノだ... 毎晩...毎日...霊的な現象が起きたらドウスル?
どうするって...俺は寝不足じゃん...
ユウスケ...塾で 暗闇に慣れ... 霊的体験にも...少しは慣れ...これからが...
タノシミ..だって消えた...
あの薄暗い影は...生まれた時から... ソバ... に居たんだ...
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