シノヘ村…

第六話 ムカゴ... イリグチ...デグチ...

年間の行方不明者は、八万人を超える...

みんな　ドコへ？

トンネル...　森...　建物...　地下道...など...　どれも入り口があり...出口がある...

例えばトンネル...入り口から入ると...　先に出口が見える...それが何かのタイミングで出口が...入り口に変わったら...？　何処に行くんだろうか？

これは昔...家具屋で働いていた時の不思議な体験である...

え？？　何このお札...？かなり昔の聖徳太子の一万円札...それもピン札...四枚...
ってレジ前で、売り子のおばさん達が騒いでた...

よく聞くと...高齢のおばさんが、食器棚を購入した時に支払っていったお札との事...

白沢君...配達の手伝いしてって配達専門の木田さんが言った...
配達先はクノヘ村...縦型の食器棚...
トラックに積み込んで出発...クノヘ村に到着...ロードマップ開き、配達先調べる...この道の先だ...

トンネルが見える...　車一台ギリギリの真っ直ぐの細いトンネル..まっすぐ掘ってコンクリートで塗り固めたような古い隧道...

中に入って...出口付近で　キーンって耳鳴りがした...

隧道を抜ける...家が見えた...

こんにちは...〇〇家具店のものです...この辺で〇〇さんのお宅はどこですか？って聞く...

この先の二股の道の上、登って三軒目との事...お礼を言ってトラックに乗る...

到着...表札で確認...　ここだ...

こんにちは〇〇家具店です...食器棚お持ちしました...　返事なし...
留守か？　

木田さんが...食器棚...中に入れて帰ろう...この家で間違いないしって...
中に運び入れる...お邪魔します...て...

え？　　え？？　炊飯器が...1、2...　ん？9？　周りに黒い塊があちこちに...
靴下汚れるな...って思いながら　食器棚を空いてる場所に置く...

玄関で足の裏みた...　綺麗だ...

木田さんが何やってるって笑う...だって黒い塊が...って言うと...
何言ってるん？炊飯器が多いのは不思議だが...そんな塊無かったろ？って...

さて、帰ろうか...

その時...ユウスケ...この先...隧道に入ってら忘れ物したって...バックで隧道から出てもらえ...って聞こえた...

隧道にトラックが入る...木田さん...忘れ物した...戻って...って言う...
トラックが止まる...バックで隧道...
キーン...また耳鳴り...出た...

景色が違う...？気のせい？　木田さん、あった...あった...ポケットにあったって...

アホって言われた...トラックは隧道に入る...出口から出る...
無事、会社に到着...

その夜...またあの薄暗い影が言った...

ユウスケ ラッキーだったな...元に戻れて...あの隧道は別の次元に繋がる時が
...ある...入り口から入ると、出口が入り口に変わる時がある...
あの隧道に限らず...森...トンネル...どれも出口が入り口に...

だから戻れない人は...行方不明に...なるんだ...

で？あの黒い塊は？俺だけ見えた？って聞くと...

アレは...ムカゴ...だ...　ヒトのウマレゾコナイ...生前...人を恨んだモノの...
末路だ...って...
何故　あの家にアレだけの　ムカゴ　がいるのかワカラナイが...って言う...

ムカゴ？　霊的なもの？　ん？俺...霊感ある？

因みに...な... トンネルに入ると...中からはどっちも...出口...
けどどっちも入り口になったら...

もうこの世界にもどれない...出口が無いのだから...

年間の行方不明者...　ハチマンニン...