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 そして若干、口元を緩めながらユーシスの仮面へと手を伸ばした。 「ずっと気になってたんだけど、どうしたの? これ?」  そう言いながらユーシスの顔から仮面を取った。 「いいでしょ~? あたしが選んだよ~」  テラの質問に答えたのはコル。喜色満面を浮かべ自信満々に自分を指差している。 「窮屈過ぎる」  溜息交じりの言葉と共にユーシスは雑に蝶ネクタイを外すと横へ投げ捨てた。 「えぇー。だって仮面舞踏会に行くんだからちゃんとそれなりの恰好しないとじゃーん」 「別に踊りに行くわけじゃないんだ」 「大丈夫。私は好きだよ」 「やった!」  不満そうに少し口を尖らせていたコルだったが、テラの一言に表情を勝ち誇ったものへと一変させガッツポーズをした。 「もう終わったんだ。どうでもいい」  ユーシスはそう吐き捨てるように言うと、テラをソファへ下ろし別の部屋へ行ってしまった。その後姿を残された三人が静かに見送る。
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