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「――ビディさん」  ユーシスの姿が消えるとテラはテーブルの方へ顔を向け女性の名を呼んだ。 「ありがとうございました。もちろんコルもね」  行ってしまった彼と入れ違うように訪れた沈黙も束の間、テラは二人に遅れながらお礼を言った。 「気にする必要はないわよ。これは言わば使命みたいなものなんだから。相手が誰だろうか私はあなたの為に力を尽くすわ」 「あたしに関してはどっちにしても拒否権無いからね。――あっ! でもちゃんと心配してたし、助けたいと思ってたからね!」  コルは少し慌てて付け足した。  でもそんな彼女にテラは笑みを浮かべながら温かな視線を向けていた。 「大丈夫。分かってるよ。でもありがとう」  そんなテラの言葉にコルは少し面映ゆそうに頭を掻いた。 「コル。おかわり貰えるかしら?」 「はーい。ビディ様。ただいま~」  そして声を弾ませながらコルは踵を返すとビディのお替りを淹れにキッチンへと向かった。
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