36人が本棚に入れています
本棚に追加
魔王
「俺は、昔……
半分魔族って事が理由で、イジメにあっていたんだ……」
「それは、酷いわね……」
「半分魔族なんて、今は——そんなに珍しくも無いけどな……」
「子供の頃って、少し見た目が違うだけで標的になったりするのよ」
「そうか……それで!?
お前は、魔王を倒すために自分を鍛えたのか」
「ああ……俺は、魔王を倒す為に死にものぐるいで修行に明け暮れた。
そして、強くなって——この街に戻って来た!」
「それで、自分の力を試す為に——俺に挑んだって事か!?」
「ああ……お前を倒して自信をつけて魔王に挑む為に——」
「それで!? お前は、魔王を倒して
その後は、どうするつもりなんだ?」
「そこまでは、考えてない。
魔王に復讐を終えた後は……アイツに変わって——俺様が玉座にでも、君臨してやろうかな……なんて!」
「やっぱ、コイツ殺しておくべきだったか?
エリアル——!」
「殺しちゃダメよ!
てか、魔王を倒すって——私達の目的と一緒じゃない。
だったら、戦うより。協力した方が良いでしょ!」
「何だよ! お前らも魔王に復讐するのが目的だったのか!?
まぁ、アイツを殺したいくらいに憎んでる奴は多いからな……
子供の頃のアイツは、間違いなく悪魔だった……」
「子供の頃……?」
「なんか……コイツの思ってる魔王と俺達が思ってる魔王って、少し違くないか?」
「ねぇ、フロック……コイツの子供の頃の記憶って、映せる?」
「出来るぞ! 見てみるか……」
そうして、フロックはキバの記憶を映し出した。
「お……何だこれ!? 俺の子供の頃が映ってやがる」
「黙って、見て!」
幼き頃のキバは、ほとんど人間と変わらない容姿をしていた。
「何で!? こんなんで、イジメられるんだよ!」
「全て、魔王のせいだ!!!」
そして、映像は——ある日の出来事を映し出していた。
その日は、キバが数人に子供に捕まると……
ある人の元へと連れて行かれた。
「よぉ! お前がキバとか言う半分魔族のガキだな!」
その太々しい声と態度の主は……
*
「あ……ボス! 『ボスね……』」
「そう言えば、魔王をそう呼ぶ奴らもいたな。
俺らの世代は、魔王と呼んでいた!」
*
「おい! お前ら、そいつを抑えてズボンを脱がせ!!! 魔族のチ○コがどうなってるか確認してやる!」
*
「やめてくれーーー!!! これ以上、映さないでくれ!!!」
キバが暴れたので、一度! 映像を止めると……
「そう言う事か……コイツ、俺の後輩だな」
「そんな事より……リサ……ボスは、チ○コ好きね……」
「やめて……くれ……」
「でも、キバ! こんな事、いつもの事じゃねーか?
なんで、これでイジメられるようになるんだ?」
すると、怯えていたキバが……口を開いた。
「実は……俺は、この頃からムケていたんだ。
そしたら、魔王の奴が面白がって毎日のように自分の下部達に……俺の……を……
だから、俺は——強くなってアイツに復讐をすると決意した。
そして、修行を終えて帰って来ると……
魔王は、下部を増やして冒険者ギルドに君臨していた。
だから、俺は——まずは部下から削っていこうと思い。
ギルドで、1番強いと噂されている。
お前達を狙ったって訳だ!」
「……そう言う事なら、早く言ってくれ!
俺も手を貸すぞ! キバ——!」
「何言ってんのよ! 無理よ。絶対無理!」
「お前らも……アイツに恨みがあるのか……?」
「ああ……これを見てくれ!」
そして、フロックは——自分の記憶を投影した。
*
*
*
「あのヤロー……フロック先輩にも、こんな酷い事を……許せん!!!」
そうして、2人は和解した後……
断固たる決意で、リサさんの元へと向かったが……
彼女の前に立つと、子供の頃の記憶が蘇り足が空くんで……何も出来なかった。
そして、2人は……もっと強くなる事を強く決意した。
最初のコメントを投稿しよう!