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 医術師の言葉に、ミレーネはショックを受けた。  呪術で赤ちゃんの命を奪おうとしているとしたら、いったい誰がそんな残酷なことを企てたのか。  ミレーネの頭に、ふとメルシアの顔が浮かんだ。  まさか、メルシアが赤ちゃんに呪いをかけた? ―――いいえ、絶対にそれはありえない。  なぜってメルシアは、私が女王になって苦労しなくても済むように、王国の跡継ぎができるようにと願って、母に幸運のお守りを渡したのだから。  それにあのお守りが邪悪なものではないと証明するために、メルシアは他の魔術師たちに鑑定させて保証書までつけてきた。 ―――やっぱり、犯人はメルシアじゃないわ。  そう思った矢先に、昨日の昼と夜にあのお守りに触れたときの指先に走った刺激を思い出し、お守りの安全性とメルシアの潔白に疑念が湧く。  ミレーネが考え込んでいるすきに、王の命令でハリアー大魔術師がやってきた。  呼びに来た侍従から経緯を聞いていたハリアーは、フレデリック王への挨拶を素早く済ませ、すぐに鞄から必要な魔法道具を取り出して、ベッドの脇に置かれ机の上に並べていく。
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