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第五章
目が覚めると辺りは真っ暗だった。
目が覚めてないのかと思って上半身を起こし、周りを見渡した。
正確には暗闇ではなく、部屋の窓の向こうから明かりが差し込んで来る。
そこに立っている人物が数名。
服装からすると看護師だ。
部屋の中も幾つかの医療機器のモニターが光を放っていた。
病院の中だ。
‥‥マジで生き返ったんだ!
急にドアが開き一人の看護師が入って来た。
俺の様子を見に来たらしい。
上半身を起こしている俺を見て、
その看護婦は驚いて腰を抜かした。
死にかけている俺が夜中に起き上がるなんて想像していなかっただろう。
驚かせて悪い。一番驚いているのは俺だけど。
その後他の看護師や医者が集まって来て大変だった。
色々調べられて医者から言われたのは、病巣が無くなっていて何処にも悪いところがない、という事だった。
念の為、精密検査を受けたが何処も異常がないと言われた。
医者も驚いていて、末期の人間の体から一晩で病巣が消えるなど前代未聞だと首を傾げていた。
タナカという男の言った事が本当だったのだとその時はっきりと信じるに至った。
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