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第八章
高校生になったヒロキが学校で虐められているらしい。
学校の担任から電話で知らされた。
会議を抜けて担任に会って話を聞いた。
どうやら「父親は悪い事をして金持ちになった」という噂が流れ、それでヒロキは虐められているらしい。
決して悪どい商売をして儲けたのではなかったが、世の中の評価が悪い。
やっかみが殆どだろう。
全く哀れな人達だ。
他人をこき下ろして何が楽しいか。
しかしこれで金だけ持っていてもダメだと分かった。
ヒロキの為にも名誉が必要だ。
潤沢な資金を理由して、政治家に取り入り議員の席を用意してもらう事が出来た。
ズルい話だがヒロキの為だ。
そう言い聞かせて自分の名誉欲を満たしている自分に違和感を覚える。
ヒロキには、もう虐められる事はないぞと伝えたが、複雑な顔をしていた。
しかし何処に行くにもチヤホヤされている今の状況を変える気にはなれなかった。
今まで何も無かった分、取り返そうと欲をかいていた。
ヒロキの大学合格の祝いもしたかったし、海外留学する日も送り出したかったし、ボランティア活動で賞を取った時も一緒に食事をしたかったのに、全てメールで済ませてしまった。
全く、なんてダメな父親になってしまったのだと自分でも思う。
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