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 彼女の様子から察するに、僕と彼女との間には、ヒナとのような関係性はないのだろうと推測できる。仮にあったとしても、きっと親密ではなかったのだ。もし知り合いなのだとしたら、こんな状況に放り込まれて、声をかけてこないはずがない。  今後、彼女含めヒナ以外の人の名前を把握することができるかどうかわからないため、僕は彼らに僕なりの判別名をつけることにした。  ミステリアスな彼女は、『魔女さん』に決定した。僕の中で、「ミステリアス」イコール「魔女」と安易に結びついてしまったのだ。彼女の想像する魔女が毒リンゴを持ってくるような老婆だったとしても、本人に知られなければ問題はない。今から変えたら混乱しそうだから、彼女は『魔女さん』でいく。バレたらそのとき考えれば良い。  僕は勝手に不必要なリスクを増やしてしてしまった。  二人目。男性。身長は一七〇センチメートルの僕と同じくらいで、少しぽっちゃりしていた。
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