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「それがどうして今になって? あなた、さっきも『俺のせいだと思ってた』って言ったけど、『思ってた』って何? どうして過去形なの? 自分のせいじゃなかった証拠でも見つけたわけ?」  細かいところまでよく聞いている。自分の知らなかったことを聞いて少なからず動揺しているはずなのに。茉依さんの注意深さに、僕はひたすら感心してしまった。 「昨日、桐谷が言ってただろ? 徳本がすずめを殺した犯人に会いに行ったって。その犯人は徳本と桐谷の口を塞ごうとしたって。二人が調べてるっていうのは噂程度に知ってたけど、そこまで本気だとは思ってなかった。それに、俺は二人の命を狙った覚えなんてない」 「それを信じろと?」 「信じて欲しいとは言わない。俺じゃないってことは、犯人を捕まえない限り証明できないだろうから。でも、明確に犯人がいるというのなら、俺は知りたい。それが誰で、どんな理由があったのか。だから、協力させて欲しい」  その場で頭を下げた沼田くんを、茉依さんはやや面倒そうに見ている。そして僕の方に顔を向け、意見を求めてきた。
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