6人が本棚に入れています
本棚に追加
「なるほど。俺も容疑者の一人ってことだな」
「いや」
「当たり前でしょ」
そんなことだけは直接言うんだから。どうしてそんなに沼田くんのことを追い出したがるのか。そして、どうして沼田くんはそんな悪態を普通に受け入れているのか。これが二人の普通なのか?
「当日朝の『話したいこと』ってのは、さっき俺が言った病気のことだろうな」
「じゃあ、放課後の『用事』って何だかわかります?」
「いや、そっちはわからない」
「そうですか」
「使えなくて悪いな」
僕はそんなこと思っていないけど、もしかしたら茉依さんは思っているかもしれない。容易に想像できてしまったから、表情をうかがうのはやめた。
「で? これまでの成果はわかったけど、これからはどうするんだ?」
「それは」
また言葉に詰まってしまった。だから簡単に見透かされてしまう。
「もしかして、何も考えてなかったのか?」
「芽依さんに何があったのかとか、みんなのこと把握するのでいっぱいいっぱいで。茉依さんもそれにつき合ってくれていたので」
「なるほどな。俺たちのこと、ある程度はわかったのか?」
最初のコメントを投稿しよう!