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 四人目。女性。身長はヒナより少し高い。明るい茶色に染められた髪が綺麗なウェーブを描いていて、制服のスカートはここにいる女性の中でダントツに短かった。  彼女の名前はすぐに決まった。『JKさん』だ。多くの人がイメージするであろう、いわゆるJKという要素がすべて詰め込まれたような姿だったのだ。少なくとも、僕の中の「JK像」にはピッタリと当てはまっていた。  JKさんはキョロキョロと周囲の様子をうかがうように教室内を歩きまわっていたが、教室後方で急に足を止めた。ギョッとした様子の彼女の視線の先には、まだ目を覚ましていない男性が転がっていた。JKさんは呼吸を荒くし、その男性から慌てて離れた。そして教室前方まで行き、座り込んでしまった。何度も顔をゆがめていた。  五人目。男性。JKさんをギョッとさせた張本人。大きな目が特徴的で、少女マンガに出てきそうな爽やかイケメンだ。
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