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「芽依は自殺なんてしない。それなのに、徳本くんと桐谷さん以外の『特別な友達』はみんな、あっさりと芽依の自殺を受け入れた。本当の芽依を知っていたはずなのに」  あれ?  今の茉依さんの言葉、ちょっとだけ引っかかった。少し興奮気味の茉依さんの口からは次々に言葉が吐き出されていくけど、それに惑わされてはいけない。信用してもらっているのだから、僕も真っ直ぐに応えないと。 「みんなだって、そう簡単には受け入れられてないと思います。でも、それでも納得したのは、本当の芽依さんを知っていたからこそなんじゃないですか?」 「え?」 「沼田くんが病気のことを知っていたように、みんな芽依さんの弱い部分を知っていたんですよね? だからこそ、納得せざるを得なかったんじゃないですか?」 「でも、芽依が自殺なんて」 「あくまで僕の想像ですけど、きっとみんな自殺という結論を聞いて、芽依さんの弱さが思い浮かんでしまったんだと思うんです」
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