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「沼田くんは修学旅行の写真見せてもらったときに。遼太朗、すずめちゃんのお家に行くときにはいつも一緒だって言ってたわよ」 「そうなんだ」  僕は親に学校のことや友人のことを話すタイプだったらしい。多分、今でも話すと思うけど。もちろん、不安にさせるようなこと以外なら、だ。  最近の眠っている間の出来事や、芽依さんの事件を再び調べることは、絶対に心配されるから口が裂けても言えない。まだ、僕たちの中だけで解決できると思っているし。 「鈴木さんはすずめちゃんのお姉さんで、確か、部活が一緒だったわね。毎日お見舞いに来てくれていたから、もうすっかり覚えちゃった」 「お見舞いに来てくれてたの? 茉依さんが? 毎日?」 「ええ。でも、遼太朗が眠っている間だけで、目が覚めてからは来てなかったと思う」  看護師さんが、「眠っている間、毎日女の子がお見舞いに来てくれていた」とは言っていたけど、それは茉依さんのことだったのか。てっきりヒナだとばかり思っていた。そんな毎日通ってくれる女の子なんて、ヒナぐらいだと思っていたから。
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