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「すずめちゃんを殺した犯人を見つけたい。これ、みんなには昨日話してあるよ」
「何のため?」
「何のためって。そりゃあ、すずめちゃんの無念を晴らすため」
予想していなかった質問だったのか、ヒナの視線が一瞬だけ泳いだ。
「本当にすずめのため? ちゃんとすずめのこと考えてる?」
「当たり前じゃん。何が言いたいの?」
ここまで比較的ニコニコと話していたヒナの表情が、次第に崩れていった。小楠さんの声は徐々に熱を帯びながらたたみかけていく。
「すずめはこんなこと望んでないと思う。自分のせいで友達が仲悪くなるなんて、すずめが一番嫌がりそうなことじゃん。本当にこの中に犯人がいたとしても、それが誰なのか知っていたとしても、すずめはきっと言わない。犯人捜しするなんて、全然すずめのこと考えてないよ」
「それは瑞姫ちゃんの考えで、すずめちゃんの考えじゃない。私は、誰に何と言われようと犯人を見つけるまでやめるつもりないから」
「本当は、自分を殺した犯人を見つけたいだけだろ?」
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