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「犯人を見つけたらどうするつもり?」 「どうするって?」  ヒナは上を向いたまま聞き返した。そうでないと、すぐに涙がこぼれてしまうから。 「もし犯人を殺すというのなら、協力はできない」  今まで考えていなかったけど、自分を殺した犯人を捜しているわけだから、復讐を心に決めているという可能性もあるのか。ヒナの返答に、みんなの注目が集まる。 「犯人の命なんていらないよ。そんなのもらってもどうしようもないし。ちゃんと罪を認めて、罰を受けてくれればそれで良い」  即答。  ヒナの答えに満足したのか、石内さんは「わかった」と言うだけで、それ以上は何も聞かなかった。  静寂の中、ヒナの言葉がゆっくりと僕の中に染みてくる。  ヒナは、犯人の未来を奪おうとは考えていなかった。自分は理不尽に奪われて、到底許せるはずがないのに、犯人には生きて欲しいと願っている。その言葉が本心なのかどうかはわからないけど、僕は素直に信じたい。  「どうとでもできる未来」。それをどう使うかは犯人次第。ヒナの想いを無駄にしないためにも、絶対に犯人を見つけて罪を償わせる。それが僕にできる償いだ。 「ヒナ」
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