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「もちろん。あなたたちは最有力容疑者」 「その根拠は? 断言するからには、何かしら根拠があるのよね?」 「別に、私の考えを言っただけ。根拠と言えるほどのことじゃない」  学級委員長は魔女さんのことをじっとにらみつけている。魔女さんはため息を吐きたそうにつづけた。 「部外者がこんなに正確に再現できる? これだけ大掛かりなことをしているのだから、きっと犯人は複数人。その中にこの場所そっくりの教室で一年間を過ごした人間がいると考えるのは普通でしょ?」  魔女さんも学級委員長さんのことを、そして教室内にいる人間すべてを鋭い目つきで見つめている。 「三月の教室にこのメンバー。心当たりあるんじゃない?」  息が詰まるほどの重い空気。一秒がとても長い。 「もしかしたら、犯人は生きた人間じゃないのかも」  そのとき、魔女さんに向かって何かが飛んだ。その何かは魔女さんの肩に当たり、床に転がる。落ちたそれは、黒板消しだった。  黒板のある方に視線を向けると、鬼のような顔で魔女さんを見ているJKさんが立っていた。彼女が黒板消しを投げたのだ。 「ふざけたこと言わないでっ!」
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