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 耳を塞ぎたくなるような声でJKさんが叫んだ。 「すずめはこんな酷いことしない!」  JKさんは息を切らせながら、頭を抱えてその場に崩れた。JKさんの叫びを聞き、怖がり君はまたつぶやき始める。「すずめの呪いだ」、「すずめが殺しに来たんだ」と。 「あ」  そのとき、初めて気がついた。黒板に大きく殴り書きされている文字に。 「すずめを殺したのは誰だ」  思わず声に出して読んでしまった。僕の声に反応したみんなも、視線をたどって黒板の文字にたどり着く。  どうして今まで気づかなかったのだろう。しかも、僕だけじゃなくて、ここにいる全員が誰一人として気がつかないなんて、いくら何でもおかしくないか。その文字は、堂々と主張してきているのに。  『すずめ』という人物に、一体何があったのだろう。この中の誰かが殺したってことなのか? 復讐のために、僕たちは連れてこられたってこと?
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