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だが、やはりそんなことはありえない。今が真夜中で、月も隠れてしまっているためだろうと、無理矢理納得することにした。教室内の机と椅子が見えるくらいには、どこかに光があるのだから、と。仮に異空間なのだとしたら、目が慣れてしまう程度の、そんな甘い暗闇なわけがない。
脱出するためには、もう窓ガラスを割るという方法しか思いつかなかった。ちょうど、鈍器として使えそうなものはたくさんならんでいる。昔の不良みたいに、椅子で殴れば窓ガラスだって割れるはず。あくまで勝手なイメージで、昔の不良がそんなことをしていたかなんて知らないけれど。
そこまで考えてはみたものの、結局やめた。もしかしたら近くに僕を閉じ込めた犯人がいるかもしれないし。それに、彼らを起こしてしまうかもしれないから。
扉から窓まで移動する間に、大きな発見があった。この教室内にいたのは、僕一人ではなかったのだ。暗い教室内で僕と同じように床に転がっている人数を正確には把握出来ないが、一人や二人ではない。同じ教室の中に複数人がいるのに、呼吸音すら聞こえないなんてありえるだろうか。まさか、もうすでに。
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