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十一 進みたい
十一 進みたい
大晦日。夕飯を終えてリビングで呑んでる三人
激動の一年を振り返り、そしてこれから先の三人の将来を考えて卓はふたつの決断をする。
「レナ、理沙、聞いてくれ。これから先の三人のことをいろいろ考えて決めたことが二つある。これについて二人の意見を聞きたいんだ」
「「うん」」
「まず一つめは健康保険のこととかもあるから、やっぱりちゃんと戸籍とか住民票とかそういう手続きをしておきたいということ。これは結婚のことも含めてだ。二人とも戸籍上は一人の相手としか結婚できないのは知ってるね」
「うん、だからレナと結婚して。私は愛人でいいって」と言う理沙。
「そうなんだけど、でもそうするとレナは俺の水嶋姓になるけど、理沙は本多理沙のままなんだ。
だからこうしようと思う。もう二人は十八歳になったから自分の意思だけで結婚できるから、まず俺と理沙が結婚入籍して、その後に離婚する。
そして理沙は離婚後も俺の水嶋姓を使うんだ。これは法律で認められているからね。そして次に麗奈と結婚すれば麗奈も水嶋姓になり、全員同じ苗字になるんだ。
そうすれば、生まれてきた子も含めて家族全員が同じ苗字になれるんだよ」
「なるほど、すごいね〜、さすがおじさん」
感心するレナ。
「私も全然いいよ。愛人なのにおじさんと同じ苗字になれるのはうれしいし」
理沙も卓の提案を喜んで受け入れる。
「二人がOKなら、そうしよう。あとはレナと理沙が、戸籍や住民票を移したり、健康保険のこととかを手続きすれば、完全に過去にわずらわされなくなるから」
「うん、そうだね。アタシはどっちみち一人だから問題ないよ」とレナ。
「私も大丈夫だけど、その件でお母さんとかとのやりとりは必要になるの?」
「そうだね、そのへんは、俺の大学時代の同期で司法書士をしている奴がいるから聞いてみるよ」
「うん、来年は水嶋理沙で生まれ変われるんだね、うれしいな〜」
「アタシも水嶋麗奈か〜、いいね〜。あ、そうだ、三人がこういう関係になったんだから、もう『おじさん』じゃないほうがよくない? この前ジュエリーショップで『おじさん』って言ってたら、お店の人、どんな関係だろうって、へんな顔してたし‥‥‥」
「そうだね、愛人とパトロン、っていう感じに聞こえるかな。あ、でも私は愛人だけどね」
「でもそれは法律の上のことでしょ。実際には、アタシも理沙もふたりともおじさんの奥さんなんだし。あ、またおじさんって言っちゃった」
「そうだな、『卓』でいいんじゃない。夫婦なんだし、さん付けも変でしょ」
「うん、いいよ。慣れるまでは変な感じするかもだけど」
「いいと思う。子供ができたら、二人が俺を『おじさん』って呼ぶの、おかしいしね」
「わかった、卓!」
「卓!」
「ちょっと照れるかも‥‥‥」
「なんか私、卓とセックスしたくなってきちゃった‥‥‥」
もじもじしながら言う理沙。
「なんか最近理沙、すっごい発情しすぎじゃない。毎朝起きるとおじさん、あ、じゃない、卓のペニスをしゃぶってるし」
「いいじゃん、大好物なんだから。レナだって卓と一緒にお風呂入るとよくしゃぶってるでしょ」
「あれは洗ってあげてるの、舐め洗い!」
「まあまあ、二人がホントにエロくて、俺すっごくうれしいよ。俺も二人のおまんこの舐め比べ大好きだし」
「じゃあ、そろそろベッドインして年越しセックスはじめちゃおうか!」
レナが嬉しそうに言う。
「ちょっと待って、決めたことが二つあるうちの二つめをまだ話してないんだけど」
「あ、そっか」
「二つめは、これもすごく大事なことなんだ。これからみんなで考えないといけないことで、まだ時期とかは決めてないんだけど‥‥‥。
一昨日レナが駅前で昔の客に偶然会って、またやらせろって迫られたって言ってただろ」
「きっぱり断ったけどね。でも結構しつこく粘られちゃった」
「うん、それで考えたんだ‥‥‥」
そう言って卓はこれからのことについての考えを二人に話し始めた。
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