七 安らぎたい

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七 安らぎたい

七 安らぎたい  翌日理沙を病院に連れていく卓。  母親から保険証は送ってもらっていたみたいで、近場の整形外科に行く。  幸い口の中が切れただけで、ほほの腫れもじきにひいて、跡も残らないとのこと。湿布薬だけ処方してもらい帰ってくる。 「おじさん、ごめんね。仕事休ませちゃって」 「大丈夫、普段真面目に社畜してるから有給休暇余ってるし。しばらく仕事休んだほうがいいな」 「うん、考えたけど、仕事辞めようと思って。もうちょっと怖くてお客の相手とかしたくないし‥‥‥」 「そうか。いいんじゃないか。お金は心配ないから、食費、次が決まるまで入れなくていいし」 「ありがと、でも大丈夫。これでも少しはお金貯めてるから」  家に着くとレナが心配で飛び出してくる。 「大丈夫だって、跡も残らないみたい」 「よかった〜〜!」と涙目のレナ。 「ごめん、心配かけてばっかりで‥‥‥」 「全然、そんなの気にしないで」 「そうだ! 今日は気晴らしに夕飯に寿司でもとって食べようか」 「わ〜い! 賛成!」と喜ぶレナ。 「理沙もお寿司好きだよね?」 「うんっ」  夕飯で出前のお寿司が届き、仲良く食べる三人。 「理沙、仕事やめるんだって」 「うん」 「それがいいよ。しばらくのんびり休んだら」 「そうする」 「あ、そうだ、だったら三人で来週か再来週くらいにどっか、温泉とか行かない?」 「いいね、行こうか!」と卓も乗り気だ。 「うん、温泉なんてもう何年も行ってないな」と理沙。 「よし、計画立てよう。混んでる時期だけど平日なら空いてるかもしれないし」  そしてクリスマスの少し前、金曜一泊で箱根に行くことに決めた三人。  家を出てから旅行とか全然してなかったレナと理沙は久しぶりの旅行に大興奮!  旅行が近づくにつれてワクワクと待ち切れない感じで、当日はもう大はしゃぎの二人!  見た目は大人っぽく化粧している二人だが、こうやってはしゃぐところは十八歳の少女そのもの。  卓は二人が楽しそうなのをみて、ちょっと父親気分でうれしさいっぱいだった。  電車を乗り継ぎ、ケーブルカーやロープウェイなども使って上にあがり、温泉宿についた三人。  芦ノ湖を見下ろす高台に立っている温泉旅館は、歴史もあるのに中はピカピカ。  部屋に通されて全面窓から見下ろせる芦ノ湖の景色に大感動するレナと理沙。 「ねえ、おじさん、ここってすっごく高そうだけど、お金いいの?」 「気にするな。俺だってそれなりに稼ぎはあるんだから‥‥‥」 「でも養育費とか送ってるんでしょ」 「そんなこと心配しなくて大丈夫! 雰囲気のいい露天風呂あるみたいだから入っておいで」 「うん、ほんとはおじさんと一緒に入りたいとこだけど、まあ理沙で我慢するか」  いらずらっぽく言うレナ。 「悪かったわね、私で‥‥‥。ほら、お風呂行こう、レナ!」  そういって二人は温泉に向かった。 「わあ、すっごい露天風呂、広いし、ここからも芦ノ湖の展望がすごいや」と感激するレナ。 「平日だからすいてるね。ここ貸切状態だよ」 「うん、なんかすっごくのんびりできて、幸せだな〜」 「うん、こんなにほっとできるの久々」  露天風呂のお湯はやや熱いめだが、気温が寒いので、ちょうどいい具合だった。  ゆっくり浸かるレナと理沙。 「ねえ、レナ‥‥‥」 「何?」 「あんたおじさんと毎晩セックスしてるんでしょ」 「うん、体調が悪いとかなければほぼ毎晩かな‥‥‥」 「生理の時とかも?」 「うん、生理中はアナルセックスしてる」 「えっ、アナルとかもするんだ」と驚く理沙。 「うん、興味があったので、色々ネットで調べて、おじさんと一緒にアナル開発したの」 「そうなんだ」 「はじめ浣腸とかしてちゃんと腸を洗ったりしたときは、お風呂の広いラブホに行ってしたんだけど、お風呂場でおじさんの見てる前でうんこ撒き散らしちゃったときは死ぬほど恥ずかしかったよ」 「えっ、そ、そうなんだ‥‥‥」 「今はウチでするときは浣腸してもらって、アタシがトイレで出して、ウオシュレットで流してからしてるけどね。最近はアナルでも逝けるようになってすっごく気持ちいいんだ」 「すごいね、レナは」 「理沙はしたことないの?」 「パトロンの親父にされそうになったけど、嫌だって拒否した」 「そうなんだ」 「だって何もしないでいきなりチンポ入れようとしたから」 「あ〜、それはダメだね、全然だめ!」 「でしょ」 「あっ、ちがう、だからそういうことを聞きたいんじゃないの。おじさんと毎晩してるんなら、今晩もしていいよ」 「えっ?」 「私、隣で寝たふりしてるから」 「いや、それは悪いよ‥‥‥」 「いいから‥‥‥」  そう言って遠慮する理沙の表情に少し苦いものを感じるレナ。 「‥‥‥ねえ、理沙、あんたおじさんのことどう思ってるの?」 「えっ、どおって?」 「レナこそどうなの?」 「アタシはおじさん大好きだよ。おじさんには言ってないけど、おじさんのことすごく愛してるし」 「やっぱりそうだよね。見てればわかるよ」 「うん、じゃあ理沙は?」 「私もおじさん嫌いじゃないよ。すごく優しくていい人だし、一緒にいて安心するし‥‥‥」 「男嫌い少しは治ったんだ」 「わからない、おじさんは特別かな」 「ホントは『嫌いじゃない』じゃなくって、理沙も大好きなんでしょ、おじさんのこと‥‥‥」 「えっ? そんなこと」 「アタシだって理沙のこと見てるからわかるよ。最近の理沙、おじさんを見つめる目がすっごく潤んでるから。もう『愛してます』って言ってる感じ」 「えっ、うそ、そ、そうかな‥‥‥」 「別にアタシに遠慮しなくていいから。あ、でも譲ろうってことじゃないけどね」 「うん」 「ねえ、理沙‥‥‥。今晩おじさんに抱いてもらったら?」 「えっ?」 「理沙、心が満たされるセックス一度もしたことないって言ってたよね」 「うん‥‥‥」 「だからさ、おじさんに抱いてもらってみなよ。きっとセックスっていいもんだ、って思うし、すっごく心が満たされるから」 「でも‥‥‥」 「アタシは大丈夫。理沙がおじさんとセックスしたあとにしてもらうから」 「えっ?」 「せっかくのこんないい機会なんだから、三人でいい思い出作らなきゃ、ねっ」 「う、うん、でも」 「大丈夫、おじさんすっごく優しく抱いてくれるから。気持ちいいよ〜」 「‥‥‥うん、ありがと、レナ。でも恥ずかしいよ」 「はいはい、ツンデレだからね、理沙は。アタシが話しを振ってあげるから、そしたら気持ち伝えるんだよ」 「うん、わかった」と真っ赤になる理沙。 「さ、じゃあ部屋に戻ってご飯食べてからラブラブタイムだねっ!」
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