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慎太郎
…
「ちょっと…え?ちょ、え?あの…」
夏休み初日、行きつけのヘアサロンで大量のロッドを頭につけたお姉さんが、隣の席から話しかけてきた。
「はい?」
それが、桜井さんとの出会いだった。
「君って、もうどこかに所属してるのかな?」
「所属?いや…」
「身長、いくつ?」
「186」
「わぉ」
何なんだこの人…面倒くせぇ。
俺はこれ以上の会話をシャットアウトする為に正面に向き直った。
「桜井さんね、芸能プロダクションのチーフマネージャーなんだよ」
俺を担当してくれているタケさんが、陽気なお姉さんの素性を教えてくれた。
「ねぇ、君さモデルに興味ない?」
「…」
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