莉弥

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 スタッフさんたちが部屋に入って来て、今後のスケジュールの確認等をした。  打ち合わせ終了後、2人で事務所を出て駅まで歩く。  2人揃ってキャップにマスク姿だ。 「何か逆に目立つよな?俺マスクやめてサングラスにしよっか…」  刹那、あの日の光景が蘇る。  胸の痛みはまだ癒えていない。  駅で別れ、反対方面の電車に揺られながら目を閉じる。  分かってる。慎太郎はあの子の彼氏。  分かってる。それでもやっぱり側にいたい。  片想いで良いから、それでも一緒にいたい。  友達で良いから…他人にはなりたくない。  同じ場所に、いたいから…  大丈夫、どんな事があっても頑張れる。
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