気まずい雰囲気

1/3

1670人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ

気まずい雰囲気

「都筑さん、おはようございます」 「おはよう。どうぞ、乗って」 「はい、ありがとうございます」 次の休みが合う日に、吾郎は安藤のマンションに車で迎えに来た。 「トオルちゃん!おはよう」 「アンアン!」 助手席のドアを開けて促した吾郎だったが、後ろの席を覗き込む安藤の様子に苦笑いして、後部座席のドアを開けた。 「トオルの隣にどうぞ」 「いいんですか?!」 そう聞きつつ、安藤はいそいそとトオルの隣に座る。 「トオルちゃん、元気だった?」 「アン!」 「ふふっ、今日も可愛いね」 「アンアン!」 「ずっと会いたかったの。今日はたくさん遊ぼうね!」 「アン!」 ハンドルを握りながら、吾郎は居心地が悪くなる。 (なんだこれ?俺はデートのお邪魔虫か?) ラブラブなやり取りに口を挟めず、吾郎はひたすら運転手に徹していた。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1670人が本棚に入れています
本棚に追加