病院へ

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「あーん、今月も赤ちゃん来てくれなかったよー」 そう言ってガバッとオフィスのデスクに突っ伏す亜由美を、瞳子と千秋は、まあまあとなだめる。 「亜由美ちゃん、そんなに落ち込まないで。まだしばらくは透さんと二人の時間を楽しんだら?」 「そうよ、亜由美。きっと赤ちゃんもそう思ってるんじゃない?」 「でもマンションも買ったし、私はいつでも来て欲しいんですー。瞳子さんは?赤ちゃん、まだですか?」 うぐっ、と瞳子は言葉に詰まる。 「亜由美ちゃん、そんな赤裸々な…」 「ハネムーンベビーは?来ましたか?」 「いや、だからね。うん、まあ、私も少し期待してたんだけど…」 「来たのは赤ちゃんじゃなくて、生理の方?」 「そ、そうです、はい」 瞳子は顔を赤くして小さくなる。 「そっかー。やっぱり妊娠って奇跡ですよね。あー、お互い早く赤ちゃんに会いたいですね。あ!瞳子さん。また海斗くんに会いに行きません?」 「海斗くん!うん、会いたい!」 「ですよねー。じゃあ泉さんに連絡しようっと」 早速スマートフォンを取り出した亜由美の横で、千秋がそっと瞳子に声をかける。 「瞳子、あんまり考え過ぎずに気楽にね」 「ありがとうございます、千秋さん。はい、気長に赤ちゃんを待ちますね」 明るく笑う瞳子に、千秋も笑顔で頷いた。
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