病院へ

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だがその日の夜。 帰宅した千秋は、意外な人物からの電話を受けた。 「冴島さん?!どうしたの?」 『突然すみません、千秋さん。今、お話出来ますか?』 「ええ、大丈夫だけど。どうかした?」 『それが…、最近瞳子の具合が少しおかしくて』 ええ?!と千秋は声を上げる。 「おかしいって、どういうふうに?オフィスでは、いつもと変わりなかったわよ?」 今日も、亜由美に赤ちゃんのことを聞かれて少し照れていたが、おかしなところはなかった。 『実は瞳子、微熱があるみたいなんです。ちょっと顔が火照ってる感じで。体温計で測ると、37℃ちょうどとか、毎日そんな感じなんです』 「そうなの?でも元気そうにしてるけど…」 『はい。身体は元気なので、俺もそこまで心配してなかったんですけど。かれこれ1ヶ月近く続いているので、さすがにこれはと思って。しばらくゆっくり休ませて、精密検査を受けさせようかと思います。千秋さん、瞳子の仕事のスケジュール、どうなってますか?少しお休みを頂けませんか?』 「それはもちろん大丈夫よ。何よりも瞳子の身体が大事だもの。冴島さん、明日にでも瞳子を病院に連れて行ってくれる?」 『はい、分かりました。診察が終わったら、またご連絡します』 「ええ、お願いします」 電話を切ったあとも、千秋は心配で落ち着かない夜を過ごした。
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