病院へ

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『えええー?!ににに、妊娠?!』 産婦人科を受診して帰宅した瞳子は、すぐに千秋に報告の電話をする。 千秋はこれ以上ないほどの驚きの声を上げた。 『ほ、本当に?だって瞳子、生理が来たって言ってたから…』 「はい。それがどうも、着床出血だったみたいです。産婦人科を受診したら、今妊娠8週目に入ったところだって。予定日は来年の1月11日だそうです」 『そうなのね!おめでとう、瞳子!』 「ありがとうございます、千秋さん」 『もう、心配してたのよ?冴島さんから、瞳子が微熱が続いてるって電話もらって。でもそっか。妊娠初期の微熱なのね?』 「ええ。徐々に落ち着いてくるから、心配いらないって言われました。千秋さん、ご心配おかけしました」 『ううん。あー、でもホッとした。それにすごく嬉しい!瞳子、くれぐれも身体を大切にね。仕事は私が調整するから』 「はい、ありがとうございます」 すると大河が、代わって、とジェスチャーをしてきた。 「千秋さん、大河さんに代わりますね」 そう言って瞳子は大河にスマートフォンを渡す。 大河は千秋に、心配かけたことを詫び、今後の瞳子の仕事について相談してから電話を切った。 「瞳子。安定期に入るまでは、舞台に立つ仕事は控えて、オフィスでの内勤だけにしてくれる?」 「え、それで大丈夫ですか?」 「ああ。千秋さんも、そうしてくれた方が安心だって。オフィスなら、いつも瞳子のそばにいてやれるからって」 千秋さん…と、瞳子は千秋の優しさに胸が詰まる。 「瞳子がMCの仕事が好きなのはよく知ってる。だけど今は、少し控えてくれる?」 「はい。千秋さんのお言葉に甘えてそうさせてもらいます。今は何より、赤ちゃんを大切に育てなきゃ」 お腹に手を当てて明るく笑う瞳子を、大河は優しく抱きしめる。 「ありがとう、瞳子。俺も必ず瞳子と赤ちゃんを守るから」 「うん。ありがとう、大河さん」 見つめ合う二人を、穏やかな幸せが包み込んでいた。
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