恋…ってなんだ?

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恋…ってなんだ?

いよいよ吾郎の引っ越しの日がやって来た。 引っ越し業者におまかせのコースを頼んだが、やはり荷解きや細かい整理整頓など、やることはたくさんある。 その間、安藤がトオルを庭で見ていてくれて助かった。 「都筑さん。そろそろお昼にしませんか?」 引っ越し業者が作業を終えて帰っていくと、時刻は13時を過ぎていた。 「ああ、そうだね。えーっと、何かデリバリーでも頼む?」 「私、お弁当作ってきたんです。よろしければいかがですか?」 「えっ、いいの?」 「はい、もちろん。トオルちゃんにもおやつあるよー」 「アン!」 安藤はローテーブルの上に、3段のランチボックスを並べた。 卵焼きに唐揚げ、サンドイッチやおにぎり、フルーツにサラダなどが、ぎっしりと詰めてある。 「うわー、すごいね。どれもこれも美味しそう」 「ありきたりですみません。でもピクニックみたいで、楽しく作れました。お口に合うといいのですけど」 「ありきたりだなんて、とんでもない。ありがとう」 いただきます、と手を合わせてから、早速吾郎はパクパクと食べ始めた。 「うん、うまい!」 「ほんとに?良かった。トオルちゃんはこれね。ワンちゃんクッキー」 「アン!」 お弁当をペロリと完食すると、吾郎は食後のコーヒーを淹れてソファに戻る。 するとトオルを胸に抱いた安藤が、うつらうつらと眠そうにしているのに気づいた。 (日当たりいいもんな。そりゃ眠くなるわ) コーヒーをテーブルに置くと、吾郎は安藤の肩を揺する。 「そんな体勢で寝ると身体が痛くなるよ?」 「んー…」 安藤は身じろぎするものの、一向に目覚める気配がない。 腕に抱いたトオルも、スヤスヤと安心したように眠っている。 やれやれ、またかと、吾郎は安藤を抱き上げてソファに寝かせた。
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