恋…ってなんだ?

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安藤達を起こさないよう、吾郎は静かに片付けを進める。 キッチンとリビングの作業が終わり、吾郎はダイニングテーブルでコーヒーを飲みながら、なんとなく部屋を見渡した。 新築の綺麗な部屋は、日当たりも良く、リビングがとても広い。 のどかで平和な休日の午後。 ソファでスヤスヤとお昼寝する安藤とトオル。 ふいに吾郎は、この光景がこの上なく幸せなものに感じられた。 (ずっとこんな毎日が続いたらいいのに…) 18歳で実家を出てから、ずっと一人暮らしをしてきた。 仕事から帰ってくると、いつも部屋は真っ暗で空気も冷たい。 休日もただゴロゴロしながら、なんとなくやり過ごすだけ。 それが今は… 「ただいまー」と玄関を開けると、トオルが、アン!と笑顔で喜んでくれる。 夕飯を食べるのも、トオルとおしゃべりしながら。 寝る時だって、トオルと一緒だ。 休日には、楽しそうに駆け回る安藤とトオルを微笑ましく眺める。 毎日がかけがえのない、大切なものに思えた。 (もう二度と以前の生活には戻れない) 吾郎はそう確信する。 ただ… こんな毎日を続けるにはどうすればいいのか、その答えが分からなかった。
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