恋…ってなんだ?

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「おっじゃましまーす!わあ、ここも広くて素敵なお部屋だね。芝生のお庭があって…、あ!あの子が噂のトオルちゃんね。可愛いー!って、ええー?!莉沙ちゃん?どうしてここに?」 亜由美は一人芝居のように、うっとりしたり喜んだり驚いたりと忙しい。 「こんにちは、深瀬様」 庭でトオルと遊んでいた安藤が立ち上がってお辞儀をすると、トオルがおねだりするように二本足で立ち、安藤の足にまとわりつく。 安藤は慣れた様子でトオルを抱き上げた。 「ひゃー!なに?そのすっかり出来上がった関係は。莉沙ちゃん、もはやトオルちゃんのママって感じ」 「いえ、そんな。トオルちゃんは人なつこいので、誰にでも嬉しそうにするんですよ」 「莉沙ちゃん。そのセリフが既にトオルちゃんのママだわよ?」 亜由美達のやり取りを聞きながら、透がニヤリと吾郎に笑いかける。 「なーるほど。だから急にオフィスであんなセリフをね?」 「何がだよ?」 吾郎が仏頂面になると、透はますますニヤニヤする。 「べっつにー?ねえ、亜由美。お蕎麦4人分あるよね?」 「うん、あるよー。たーくさん買ったもん。じゃあ、早速作るね。吾郎さん、キッチンお借りしまーす。あと、奥さんもお借りしまーす」 はあー?!と声を上げる吾郎に構わず、亜由美は安藤を振り返る。 「莉沙ちゃん、手伝ってもらえる?お鍋の場所とか分からないから」 「あ、はい!お鍋はシンクの下にあります。菜箸はここで…」 テキパキとキッチンで立ち回る安藤に、またしても透はニヤけて吾郎を肘で小突いた。
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