コンサートの司会

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「どれ?見せて」 マンションに着くと、大河は当然のようにまた瞳子を抱き上げて部屋に入った。 ソファに座らせて、すぐさま瞳子の前にひざまずく。 「綺麗に包帯巻いてもらったな。でも一旦外すよ」 そう言ってクルクルと包帯を取ると、そっと足首に触れる。 「まだ少し熱を持ってるな。もう一度冷やしてから新しい湿布を貼ろう」 「はい。あの、大河さん」 「ん?なに」 「その前にシャワー浴びてもいい?」 「あー、そうか。まあ湯船に浸からなければ大丈夫だろう。俺も一緒にバスルームに入るから、脱いで」 …は?と瞳子は目が点になる。 「脱ぐって、何を?」 「もちろん、服」 「は、はいー?!」 仰け反って後ずさろうとする瞳子から花束を取り上げ、大河は瞳子が羽織ったコートに手をかける。 「いやー!やめてー!」 「はあ?なんちゅう声を出すんだよ」 「だ、だって、大河さんの前で服を脱いだら、その…、見られちゃうじゃない。そんなの無理!」 「無理じゃないっつーの!瞳子、今更何を言っている?俺は毎晩ベッドで瞳子を抱いて…」 「ギャー!大河さんのバカバカ!」 「バカとはなんだ?いてっ!こら、瞳子!」 大河はポカポカと胸を叩いてくる瞳子の手を掴むと、背中に腕を回してグッと瞳子を抱き寄せた。 「瞳子。いい子だから言うこと聞いて。ね?」 「やだ!大河さんに身体見られるの、恥ずかしいもん」 「恥ずかしがり屋も可愛いけど、足首を使えば悪化して、明日のステージに立てなくなるぞ?それでもいいの?」 「…ダメ」 「だろ?それなら、ほら。俺が一緒に入るから、脱いで」 「でも、でも、ほんとに恥ずかしいんだもん!」 真っ赤な顔で目を潤ませる瞳子に、大河はやれやれとため息をつく。 「分かったよ。じゃあバスタオルを身体に巻いて。それならいいだろ?」 瞳子はうつむいてから、コクンと頷く。 「よし。とにかくまずはコート脱ごう」 「うん」 おとなしくコートを脱ぐと、今度は大河が騒ぎ始めた。
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