コンサートの司会

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「と、瞳子!まさかその格好で人前に?」 「人前って?ステージで司会しただけだけど」 「瞳子のこんな姿を誰かに見られたっていうのか?」 「えっと、そうですね。2000人ほどに」 に、にせん…と、大河は絶句する。 「なんてことだ。俺の瞳子が、2000人の男に狙われるなんて…」 「はっ?!大河さん、何を言ってるの?お客様2000人が全員男性じゃないわよ?」 「そ、そうか。じゃあ半分として…1000人の男に?!」 「もう、大河さんたら、落ち着いて。見られたからって何かある訳ないでしょう?」 「何もない訳ないっつーの!瞳子が、こんなにセクシーで真っ赤なドレスを着てるんだぞ?しかも綺麗な足がチラッと見えてるじゃないか!俺よりも先に他の男がこんな色っぽい瞳子の姿を見たなんて、それだけで俺は…。あー!耐えられんー!」 頭を抱えて声を上げる大河に、今度は瞳子がやれやれとため息をつく。 すると大河はハッとしたように、ローテーブルに置いたバラの花束に目をやった。 「瞳子!このバラを渡されて告白されたのか?もしかしてさっきの、川下って男に?」 「大河さん、川上さんね」 「やっぱりそうか!あの人なかなかのイケメンだったしな」 「ん?違うったら!この花束はマエストロから頂いたの」 「なにー?!他にも男が?しかも外国人?」 「もう…、大河さん!」 瞳子は正面からギュッと大河に抱きついた。 「と、瞳子…?」 呆然としたように呟き、大河の身体から力が抜ける。 「大河さん。私が愛してるのはあなただけよ?優しくて頼もしい大河さんのことが、いつだって大好きなの」 耳元で囁いてから、瞳子は少し身体を離して大河を見つめる。 そしてゆっくりと目を閉じ、大河に深く口づけた。 大河は驚いたように目を見開くと、次の瞬間瞳子の背中に腕を回し、グッと力を込めて抱きしめる。 「瞳子…」 ん…と瞳子が甘い吐息を漏らすと、大河は更に熱く瞳子の唇を奪った。 真っ赤なドレスにも負けない情熱的なキス。 二人は時間も忘れて互いに抱きしめ合い、愛を確かめ合っていた。
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