【最終章】みんなで…

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「ね、瞳子さん。赤ちゃんの性別、ほんとに聞いてないんですか?」 吾郎と莉沙がトオルを抱いて大階段で記念撮影している間、階段の下で亜由美は瞳子の大きなお腹に目をやって尋ねる。 「うん、聞いてないよ。先生はバッチリ分かったっておっしゃってたけどね」 「えー、私だったら我慢出来ない。分かったらすぐに教えてください!って、毎回エコーの時に言ってるんです」 「そうなんだ。泉さんの時は?性別、聞いたんですか?」 ん?と、海斗を抱いた泉が振り返る。 「ああ、生まれる前のこと?それがね、聞く前に見えちゃった。あはは!」 なるほどー!と、亜由美と瞳子は頷く。 「男の子ならそういうこともあるって聞きますもんね。じゃあ瞳子さんの赤ちゃんは、女の子かな?」 亜由美は人差し指を口元に当てて、じっと瞳子のお腹を見つめる。 「お腹もまあるい感じだし、やっぱり女の子じゃないですかね?」 「女の子なら瞳子ちゃんに似て、とびきり美人になるわよねー」 亜由美と泉の会話を聞きながら、瞳子は少し苦笑いする。 「ん?どうかしたんですか?瞳子さん」 「うん、それがね。これは単なる私の勘なんだけど…。なんとなく男の子のような気がするの」 「ええ?!どうして?」 「だって、想像つくんだもん。大河さんそっくりの男の子が、むむっ!て眉間にしわを寄せて産まれてくるのが」 そう言うと、亜由美も泉も笑い出す。 「確かに!今頭の中で、まさにその姿が想像出来ちゃった!」 「ほんとほんと!これはもう間違いないわね」 「でも瞳子さんそっくりの女の子も見てみたいなー」 「あら、いずれ女の子も産まれてくるわよ。2人目か3人目に。ね?瞳子ちゃん」 真顔で泉に聞かれて、瞳子は顔を赤くする。 「そ、そうです、かね?はい」 「大河さん、ああ見えて子煩悩なパパだろうなー。瞳子ちゃん、もう4人作っちゃえば?」 「あ!泉さん、それナイス!4人でベビープラネッツ!」 「上手い!亜由美ちゃん」 あははー!と笑う亜由美と泉に、瞳子は、ええー?!とおののく。 だがすぐあとに、それもいいな、と呟いて微笑んだ。
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