これ以上の幸せ

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これ以上の幸せ

「え?ハネムーン?」 イチャイチャのクリスマスが過ぎ、年末の仕事納めの日がやって来た。 オフィスの大掃除をしながら、透がふいに大河に切り出す。 「そっ!ハネムーン。俺と亜由美が先に行かせてもらっちゃって、大河とアリシアはまだだろ?年明けにでも行って来なよ」 すると洋平や吾郎も頷く。 「そうだぞ、大河。女の子にとって、新婚旅行は一生の思い出だ。ちゃんと連れて行ってやれ」 でも…と大河は言葉を濁す。 「俺が何日もオフィスを留守にするのは気が引けるって、瞳子が…」 「バカだな。お前が誰よりも優先しなきゃいけないのは瞳子ちゃんだぞ?」 「そうだよ。それに俺達、そんなに頼りない?大河がいなくたって、全然問題ないよ」 吾郎と透のあとに、洋平も口を開いた。 「大河。お前が俺達のプライベートを大事にしてくれるように、俺達もお前のプライベートを大事にしたい。お前だけじゃない。瞳子ちゃんのもな」 うんうん!と透も頷く。 「それに大河。アリシアを幸せにするって誓ったんだろ?アリシアを幸せに出来るのは、大河だけだよ」 「透…」 大河はうつむいてじっと考えてから顔を上げる。 「分かった。瞳子に話してみる」 「ああ、それがいい」 3人は笑顔で大河に頷いてみせた。
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