これ以上の幸せ

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「何を言っている?俺は瞳子を世界一幸せにすると誓ったんだ。まだまだこんなもんじゃない。もっともっと幸せにしてみせる。瞳子は誰よりも綺麗な心の持ち主なんだ。バチが当たるどころか、神様だって瞳子の幸せを願わずにはいられないよ、きっと」 「ええ?神様が?」 「ああ。瞳子の息を呑むほどの美しさを前にすると思うんだ。瞳子は神様の祝福を受けて、この世に生まれてきたんだと思う」 「そ、それは大きな勘違いですよ?そんなこと言ったら、それこそバチが当たっちゃう」 「バチ当たりなのは俺の方だ。こんなにも清らかで綺麗な瞳子を、独り占めしてるんだからな」 「大河さんにバチなんて当たりません。私を救ってくれた、世界で一番素敵な人なんだから」 「いーや、絶対に神様に怒られる。お前ごときが瞳子に触れるな!とかって」 「まさか!私には大河さんしかいないのに。神様、お願いだから大河さんを私から奪わないで」 両手を組んで懇願する瞳子を、大河はギュッと抱きしめる。 「たとえ神に背いてでも、俺は瞳子を決して手放したりしない」 「大河さん…」 二人でしばらく抱き合ってから、ゆっくりと身体を離した。 互いに目が合うと、真顔でぱちぱちと瞬きする。 「あの…、私達なんだか盛り上がり過ぎてません?」 「うん…。俺も今そう思った」 「ですよね。恥ずかしくなってきちゃった」 「そうだな。誰かに聞かれたら、バカップルか?って笑われそうだ」 「あはは!確かに。でも大河さんと一緒なら、笑われてもいいの」 「瞳子は違うよ。極上の女性なんだから」 「大河さんだって、私のたった一人の愛する人です。って、またさっきのやり取りに戻っちゃった」 「ははっ!バカップルのループだな。名付けて『バカップループ』」 バカップループ?!と、瞳子は目を丸くしてから笑い出す。 「おかしい!大河さん、座布団1枚!」 「えー、1枚だけ?」 「じゃあ、おまけで10枚!」 「ずいぶん弾んだな」 「あはは!」 無邪気に笑う瞳子を愛おしそうに見つめてから、大河は瞳子を抱き寄せて優しく口づけた。 うっとりと目を閉じて身体を預けてくれる瞳子に、大河はもう何も考えられなくなる。 二人は言葉もなく、湧き上がる愛しさのまま互いを求め合った。
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