一人新喜劇

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到着したレストランは、先程見たばかりのマンションと同じような雰囲気で、白い外壁に明るい色合いのレンガ造りだった。 店内も緑を多く取り入れ、壁にはプロヴァンス地方の風景を描いた絵も飾ってある。 「プロヴァンス料理は、ラムと魚介類が美味しいですよ」 原口のオススメのラタトゥイユ、ラムのパイ包みやブイヤベースなどをオーダーして、3人でシェアする。 「私は運転するので飲めませんが、都筑さんはワインをどうぞ」 「いえ、そんな。私だけ頂く訳には…」 「だったら安藤もどう?今日はもう定時過ぎて直帰だし」 急に話を振られて、安藤はびっくりしたように目を大きくさせた。 「は、はい!かしこまりました」 「じゃあ、ワインリストもらいますね」 原口がスタッフに話しかける横で、吾郎はチラリと安藤に目を向ける。 (咄嗟に頷いちゃったって感じだけど、大丈夫か?) もしかして彼女は、そんなにお酒は強くないのかもしれない、と、吾郎は飲みやすい白ワインを注文した。
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