生命の誕生

2/3
前へ
/141ページ
次へ
その後は皆ソワソワして仕事にならず、居ても立ってもいられずにオフィスで時計とにらめっこする。 夕食はデリバリーを頼み、仕事終わりの亜由美もオフィスに駆けつけた。 時計の針が21時を過ぎた時…。 ピコン!とグループメッセージの通知音が一斉に鳴った。 「洋平からだ!20時12分、元気な男の子が産まれました!母子ともに無事です、だって!」 透がいち早く読み上げると、やったー!と全員で喜びの声を上げた。 「良かったー、泉さんも赤ちゃんも無事で」 「うんうん、ほんとに」 瞳子は亜由美と手を取り合って涙ぐむ。 「あ、赤ちゃんの写真だ。可愛いー!」 「え?見せて、透さん」 亜由美が透からスマートフォンを受け取り、瞳子と一緒に覗き込んだ。 小さな可愛い赤ちゃんを胸に抱いた泉と、その泉の肩を抱く洋平が写っている。 「ひゃー!なんて可愛いの。天使よ、天使」 「小さいおててにぷくぷくのほっぺ!やーん、ラブリー!」 瞳子と亜由美は、興奮して思わず抱き合う。 「泉さんも洋平さんも、すっかりママとパパの顔ね」 「うんうん。あー、早くベビーちゃんに会いたい!」 ひとしきり盛り上がったあと、二人にお祝いのメッセージを送る。 大河達はアートプラネッツのグループに、そして瞳子と亜由美は『マダムプラネッツ』と名づけた泉と3人のグループに、それぞれ『おめでとう!』のメッセージを送った。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1646人が本棚に入れています
本棚に追加