楽しい時間

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楽しい時間

「都筑さん、本当にありがとうございました!これで頭痛に悩まされずに、快適に過ごせそうです」 お店を出ると、安藤は改めて吾郎に頭を下げた。 「それは良かった。じゃあうちまで送るよ」 「いえ、そんな。これ以上ご迷惑はかけられません。それにここからは歩いて帰れますから」 「でももう暗くなったし…」 「本当に大丈夫ですから。毎晩、一人で帰ってますしね。それより都筑さん、今度改めてお礼をさせてください。こんなにお世話になったので、せめてものお返しに」 「そんな、いいよ」 「いえ、私の気が済みませんから。それに都筑さんは大切なお仕事の取引先の方です。そんな方のお世話になった上に、お礼もしないようでは、原口さんにも叱られてしまいます」 うーん、そんなに言うなら、と吾郎はしばし思案する。 「君のうちの近くにファミレスある?」 「は?ええ、はい。うちの斜め向かいにありますけど…」 「じゃあお礼に、そこでごちそうになってもいいかな?」 「え?そんな。ファミレスなんて、お礼になりません。もっときちんとしたお店に…」 「ええー?俺、ファミレス大好きなんだけど。ダメなの?」 「い、いえ!まさかそんな、ダメなんてことは。私もファミレス大好きです」 「よし、それなら決まり!ほら、早く乗って」 「ええ?!」 「道案内、よろしくね」 そして二人は、安藤のマンションのすぐ近くのファミレスに向かった。
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