楽しい時間

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「わー、可愛いな!ここに来る?うちの子かな?」 「ふふ、そうですよ。うちの子です」 吾郎の隣にピタリと止まったロボットからサラダを取り、安藤はバイバーイ!と手を振って見送る。 その後も、吾郎のおつまみ3点セットや、安藤が追加注文したパスタをロボットが運んで来る度に、二人はワイワイ盛り上がった。 「いい子だなー、こっちだぞー」 「トオルちゃーん、おいでおいで!」 「ト、トオルちゃん?!」 「ええ。だって都筑さんのところのワンちゃん、トオルちゃんなんでしょ?」 「いや、それはだな…」 「なんだか意外ですねー。都筑さんが子犬飼ってるなんて」 安藤は楽しそうに笑いながら、ロボットからパスタ皿を取る。 「バイバーイ!あー、また来て欲しいから、デザートも頼んじゃおう!」 吾郎はふと顔を上げて、安藤の様子を見つめる。 コンタクトにしたせいか、大きな目をキラキラさせて、仕事中の彼女からは想像もつかないほど表情も明るかった。 (本来はこういう性格なのかな?楽しそうに笑ったり、お酒に酔っ払ったり。仕事では、普段の自分を封印してがんばってるんだろうな) 早く仕事にも余裕が出来て楽しめるようになるといいのに、と思いながら、吾郎は安藤の笑顔を優しく見つめていた。
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