新婚旅行

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新婚旅行

「大河さん!起きて起きて、朝ですよー」 「…ん、眠い。瞳子、もうちょっとだけ」 「ダメダメ!飛行機に乗り遅れちゃうもん」 いよいよ新婚旅行の日がやって来た。 朝、羽田を発つフライトの為、いつもより早く5時にアラームをセットしたのだが、瞳子は楽しみ過ぎて少し早く目が覚めた。 朝食の準備をしてから大河を起こしにベッドに戻ったが、大河はまだ寝ぼけまなこのままだ。 「大河さんったら!ね?起きて」 どうにかして起こそうと、瞳子はチューッと大河にキスをする。 その途端、大河はパチッと大きく目を見開いた。 「あ、大河さん、やっと起きた?」 ふふっと可愛らしく笑う瞳子に、大河は顔を真っ赤にしてコクコクと頷く。 「起きた、バッチリ起きた。と言うか、色々起きちゃった」 「…は?」 キョトンとする瞳子を抱き寄せてキスすると、大河はそのまま身体を反転させて瞳子をベッドに組み敷いた。 「瞳子、反則だぞ?朝からあんなに可愛くキスしてくるなんて。どうしてくれるんだ」 瞳子は、頬や首筋にキスの雨を降らせてくる大河を、両手で必死に押し戻す。 「た、大河さん!ダメ、パリに行けなくなっちゃう!」 「あー、それはいかん。じゃあ、続きはパリでな?」 「うん、分かった。分かったから」 「よし!じゃあ早くパリに行こう!ひとっ飛びで行くぞ!」 大河はガバッと起き上がると、さっさか着替えを始める。 (ふう、やれやれ。とにかく起きてくれて良かった) 瞳子はホッと小さく息をつくと、また笑顔に戻って準備を始めた。
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