お前がいてくれるなら

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それからしばらくはアートプラネッツのオフィスで、吾郎はモデルルームのコンテンツをブラッシュアップする作業に追われていた。 プリントアウトした大量の資料の上に、大河からもらったフランス土産のペーパーウエイトを載せると、「ああっ!」と大河が大きな声を出す。 「びっくりしたー。なんだよ?大河」 「それ!その凱旋門!ペーパーウエイトだったのか」 「はあ?何言ってんだよ。大河が買ってきてくれたんだろうが」 「そうだけど。俺も瞳子も、なんだかよく分からんものって買ってきた」 おい!と吾郎は真顔で突っ込む。 「何だよ?よく分からんものを土産にするって」 「だってさ、なんだかよく分からんが、『凱旋門吾郎』って感じで似合ってるって瞳子が」 すると洋平と透が、ブッ!と吹き出して笑い始めた。 「ははは!凱旋門吾郎!めちゃくちゃ似合ってる」 「ほんとほんと!アリシア、上手いねー!」 「だろ?みんなのお土産、それぞれネーミングしてたぞ。クロワッサン透とエッフェル洋平って」 ヒーッ!と二人はお腹を抱えて笑い転げる。 「確かに!透、そのクロワッサンのクッションに顔面突っ込んで、よくデスクで昼寝してるもんな」 「洋平だって、そのすかした感じにエッフェル塔が似合ってるよ」 「でも一番似合ってるのは…」 三人は一斉に吾郎を見て声を揃えた。 「凱旋門吾郎!」 「やめんかーい!」 大声で遮るが、三人はゲラゲラ笑う一方だった。
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