内覧会

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内覧会

「おーい、吾郎?吾郎ってば!えーい、いでよ!凱旋門吾郎!」 「なんだとー?!」 「あ、やっと起きた」 「寝とらんわ!」 オフィスでぼんやりしていた吾郎は、透にちょっかいを出されて我に返った。 「どうかしたのか?吾郎」 大河が心配そうに声をかける。 「内海不動産の件が終わって、一段落なんじゃないのか?」 「ああ、それはそうなんだが…」 「ミュージアムの制作は俺達で出来るから、吾郎はしばらくのんびりしたらどうだ?旅行にでも行って、リフレッシュして来いよ」 「うーん、一人で旅行に行ってもなあ」 すると透がひょこっと吾郎の目の前に顔を覗かせた。 「じゃあさ、今週末マンションの内覧会に一緒に行かない?」 「え、内覧会?」 「そう。俺と亜由美の部屋、完成したから内覧会があるんだ。部屋を見たあと、同じく入居予定の人達との懇親パーティーもあるんだって。吾郎も行こうよ」 「いや、そんな。俺は部外者だし、亜由美ちゃんと二人で行ってこいよ」 「亜由美も吾郎に会いたがってたよ。と言うか、みんなに会いたがってる。亜由美、賑やかなのが好きだからさ。ま、俺もだけどね。あはは!」 陽気に笑う透に誘われるがまま、結局吾郎は週末の内覧会に同行することになった。
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