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 その兄はどうやら警官の、そこそこ偉い所に属しているらしい。 「お前にこんなことを愚痴っても仕方ないんだが、私たちよりも上のほうに色々とあるようでね。新たに狙われそうな富豪は多いが、狙われそうな理由を詳しく調べて回るとどういうことか上に迷惑がかかるんだとか。下は動きたくとも後手に回らざるを得ない。……情けない話さ」 「……なるほど」  それ以上深く聞かず、シロヤマは息を吐いた。 「だが我々もいい加減先手を取りたい。しかし仲間内で話し合い動いたところで邪魔が入るものでな、十三年前の事件に関係があるというなら、あの事件の関係者にもう一度聞き取りをしてくると言って署を離れてきた」 「関係者ですか。上手いことを言いますねえ。過去の事件に関わっているなら僕も間違い無く関係者だ」 「だろう。それで、お前はどう見ているか聞いても良いかね」  両者、どこか似通った笑い方で笑い合ってから、シロヤマだけが背中を伸ばす。 「僕は、爆発は起きてあと二件で終わると見ています。……ハイヌマとロクセン。お二方とも大地主でタマノクラでは不動産も多くお持ちな方々だから、街の中に大きな興行施設をいくつか持っていましたよね。次に爆発が起こるとしたらたぶんそのどれかで、両者に被害が出たらこの事件は終わるでしょう」
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