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客席側から舞台の側へ声が向く。ただでさえ音が響きやすい空間だ、怒鳴るでもないシロヤマの声はよく響いた。
「!」
驚いて、影が身体を硬直させる。
見つかったことにではない。どこかで聞き覚えのあるその声にだ。
手持ちの明かりを向けられて、舞台の奥に影が伸びた。
露わになったその顔に、シロヤマもまた身体を強張らせた。
両者、口を揃えて同じ言葉を吐く。
「……なぜ」
何故、きみ/お前 が。と。
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