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動けずにいる両者の間に、シロヤマの声が挟まった。 「止めろって言ったのに、調子に乗って秘密基地の屋根に上がったまでは良かったけど、その後綺麗に天井ぶち抜いて、見事に頭かち割った……、あの!」  それは誰にも教えていない若気の至りだ。ついでに言えば屋根に登ったのは雨漏りを直そうとしたからだ。 「それはっ、……そういうそっちは。ん。待て、あいつはそこまで若くない。お前、あいつの息子……、か? いや、まさか」 「失礼だな! 僕は今年で二十七の本人だし、子供なんかいないよ! いくつに見えてるんだ一体!」  一瞬だけ、ふわりと戻る時間が暖かく。そして残酷だった。 「――死んだと、聞かされたのに」  どうして。と、感覚は現実に戻される。  互いに、死んだと聞かされていた幼なじみが生きていた。  ならば死んだと聞かされた理由なんてすぐに思いつく。  シロヤマの場合は当主だった祖父が。  そして彼の場合は家督を欲した継母が。  子供らの間に友好関係という良好な繋がりができることを、面白く思わなかったためだろう。  けれど問いたかったのは、生きている理由ではない。  今、ここにいる、その理由だ。
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