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その日の事件は、後々大きな騒ぎになった。  ロクセン所有の劇場が崩壊したのと同時、ハイヌマという資産家が持っている施設でも爆発事件が起きていた。幸いなことにどちらも死傷者は出ず、古びた建物が崩れるだけに留まったという発表だけがされる。  犯人は不明。犯行理由もまた、未だ不明。  犯人捜しはこの事件の後さらに強化されたが、同じタイミングで影響力の強い新聞社と警察に匿名の投書がされたことで調査の流れは変わった。  投書の内容曰く。アオウミ、オウハラ、ミチベニ、アカヤ。それからハイヌマとロクセン、爆発事件の被害者とされてきた六名の富豪がタマノクラの警察上層部に賄賂を贈っていたというのだ。  投書を元に上層部の停止を振り切った警官らが詳しく調査をしたところ、十三年前の豪華客船の爆破炎上事件に件の六名が深く関わっていたという事が判明した。  六名は、公には黙っているから賄賂を寄越せと言われたと証言し、賄賂を受けていた警察上層部の人間は、十四年前の事件の調査をしてくれるなと金銭を渡されたのだと言い出した。お互いの言い分はどうであれ、ろくな話ではない。
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