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「じゃあ、他に体を用意していただくことは出来ます? 死にたての使用済みの体とか」
「あなた、無茶苦茶言いますね。そもそも、肉体が生体機能を停止するから死ぬわけです。そんな体に魂を戻しても、まともに再利用出来るとは思えませんよ」
「そうですかねえ。例えば、事故とかで蘇生が間に合わずに死ぬ人っていますよね。でも、死の直前にわたしが入り込めば、生き返れたりしませんか?」
「随分と突拍子もない話をされますね……」
彼は腕組みをして考え込み始めた。
「理論上は可能かも知れませんが、蘇生出来るのなら、体は元の持ち主に返すのが道理ではないですか」
「だから、元々死にたがっている人を探すんですよ。わたしはまだ死にたくない。その人は生まれ変わって新しい人生を歩みたい。ウィンウィンだと思いません?」
灰色天使は半ば呆れたようにわたしを見つめた。
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