もはやハートウォーミングでしかない

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「んひひ」 顔を覆っていた手を両頬にずらし、未知瑠先輩が笑い出す。俺は慌てて手を引っ込めた。 「もー…やめて下さいよー。泣いたかと思った…」 「芳賀くんてさぁ…誰にでもこんな感じなの?」 「こんなって?」 「黒歴史教えあったり…頭?とかさ、撫でちゃったり…」 「…しませんよ。未知瑠先輩にしか」 「私だけ?」 「だけ、です」 「ねぇ…もっと静かな場所(とこ)に移動しない?」 そう言って、未知瑠先輩が伝票を手に取った。 「え⁈ど…どこに」 「芳賀くんの黒歴史をゆっくりじっくり聞ける場所(とこ)…かな」 「だったらこのままここで良いですって‼︎静かな場所(とこ)で話す様な事じゃないですもん」 俺は思わず伝票を持った未知瑠先輩の手を掴んだ。 「聞きたいのは黒歴史、だけじゃなくて……ね」 そう言って、俺の手に未知瑠先輩がもう一方の手を重ねてきた。 これって… これってそういう事だよな⁈
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