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「んひひ」
堪らなくかわいいこの笑い方は、軽く酔いが回ってきた合図…。
2つ上の桜沢未知瑠さんは、俺の所属する製造部製造第二課の先輩だ。
共通の趣味がきっかけで意気投合した俺たちは、月一程度こうして週末にサシ飲みしちゃう様な間柄なのである。
まぁ…場所は、ムードのカケラなんて微塵もない騒がしい居酒屋なのだが。
先輩の頭の中にもしも『お気に入りの後輩ランキング』があるとしたら、俺は間違いなく上位にいる自信がある。
入社してからもうすぐで丸2年…そろそろ未知瑠先輩との仲を深めたい俺は、今日はいつもよりも踏み込んでみる事にした。
「ねぇ、未知瑠先輩」
「何だね、芳賀くん」
「先輩って…何か黒歴史的な話ってあったりします?」
「黒歴史?」
「そう。しましょうよ…黒歴史暴露大会」
俺の知らない未知瑠先輩の事を、一つでも多く知りたい。そんな軽い気持ちでの提案だった。
「……黒歴史、そう…あれは…」
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