この過酷なサバイバルを生き抜く

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「え゛!?」 あまりに予想外だった。彼らはそれが塩だと分かると、さっき毒だと言っていた緑色の草を引きちぎった。 そして、俺が出した沢山の塩を水に入れてブクブクと熱湯になったところで毒草を投入。すると見る見るうちに草が溶けて…… 「え、なんか急に紫色になったけど大丈夫なの!?」 「はは」 いま慌てようを笑うところじゃないよな!?!? そこに水飴を入れると、今度は透き通るマスカット色へと変わった。こうして完成したのは、どろっどろの液体。 「XXX…!イーリエ」 「え、それ、え??」 出来上がった謎の液体を冷ますと隊長さんは優しい動作で、一人の男を抱き起こした 華奢なその人は一番の重症人で、火傷なのか病気なのか全身に包帯を巻かれて常に担架で運ばれている。 「イーリエ」 「ぅ、ゔぅ…、」 緊張の中俺には見守るしかないけど、他にもいるぐったりとした人には液体を飲ませて、動ける人は傷口にそれを塗る。 どうやら俺の加護により回復薬兼傷薬ができたらしい。 え、本当??毒薬変じて薬となるって耳にしたことはあるけど、材料が砂糖と塩だけでいいの?? 「…大丈夫??本当に、大丈夫なのか?」 「XXX、大丈夫、ありがとう」 心配ないよ、と言ってもらえた声に緊張や固さはない。 それに隊長さんの、顔まで覆うヘルメットの隙間から見える不思議な色をした瞳に優しく微笑まれた。 「………うん。よかった」 安心して微笑みを浮かべられた。 こんな状況なのに、はじめて人に役立てたことが嬉しくって、少しだけ自分を誇らしいと思えた。
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