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ーー活躍後の小ネターー
「………そんな目で見ないでほしい、私だって疲れたんだ」
「私は何も言ってませんよ。シオウは私たちがお守りしていましたので」
いやいや、その目は怒っている。
嫌だなぁアルタイルの小言は本当に長くて面倒くさいんだ。
こうして我々に向けられた暗殺部隊がやってきたのは三回目。
初日は森を抜けた日の夜
そして次が三日目の昼、今日で五日目。いい加減、心からうんざりしてきた。
「奴等はそんなに戦争がしたいのか?」
「いいや、マクミラン側にも反戦派はいる。そうでなければ長年休戦にはならなかった。暴走しているのは恐らく、調子に乗っている一部の連中だ」
勝手な行いをして、随分と調子に乗っている。
しかし王命は襲ってきた連中の命を取らない事だ。我々は状況の確認のためにマクミランに来た。争うためではない。
その結果…、失態を重ねてしまったが。
それに今は、どうしても無事にシュヴァルへ連れて行かねばならぬ存在がいる。
「回復薬は置いてきたのでしょう」
「勿論。しかし彼も愚かだ。かわいそうに… 」
誇りのないまま、過去の栄光と自尊心だけで他国を軽んじていた。
それを気の毒だと心の底から憂いた、それ以外の本心で彼らに向き合えなかった……。
「あっ、XXX!!XXX!」
そして、戻ってきた騎士の姿を見て、焚き火をしていた仲間と、彼は笑顔を振りまく。
「……あぁ、ただいま」
その顏に、化け物と呼ばれた冷笑はない。
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